豊橋市長 佐原光一氏の猫問題に関する回答
2012年11月20日 (火) | 編集 |
ハーツでは、豊橋市長佐原光一氏に「豊橋市における「飼い主のいない猫問題」に関するご質問」をお送りいたしました。以下がその内容と回答です。


質問1 愛知県は犬猫の殺処分が日本一、中でも東三河は猫の遺棄犯罪が多い地域です。豊橋市にも「飼い主のいない猫」は非常に多く、それが住民トラブルにつながっていることは、ご認識でしょうか。

貴団体からの要望も何度かお聞きしていますので、「飼い主のいない猫」が地域において問題となっていることを十分に認識しています。


質問2 豊橋市で平成11年度からスタートした「地域猫助成金制度」、しかしながら自治会長をはじめ、市民の意識がまだまだ低く、保健所も私どもも大変苦慮しております。
折角のこの制度を今後どのように進展させていくのがいいとお考えでしょうか。


「地域猫」は、地域の人々の支えがなければ生きていけない猫です。したがって、飼い主のいない猫が地域の環境の中で生き続けるには、多少の時間はかかってもじっくりと地域の自治会など関係者との良い関係を築くことが必要です。
そこで、地域の合意を得るために、その地域で活動を続けるNPOと市の担当課が地域に入り、「地域猫」について正しく理解しあうための説明会等を何度も行うべきと考えます。助成金については、地元との調整が整ったならば、実施方法をしっかり考える中で、限度額にあまりとらわれることなく必要額を予算化していくよう努めようと思います。



質問3 「飼い主のいない猫」対策は全国で着実に拡大し、実践を上げていますが、愛知県は動きが鈍く、隣の静岡県に10年の遅れをとっています。
「地域猫」が結果を出しているのは必ず官民連携がしっかりと出来ている所です。
私ども、現場で昼夜を問わず動き、費用の自己負担を続けている者にとっては、今後の「官民連携」が一番の願いです。
豊橋市にある多くの公園、市営住宅などでも私どもが長期に渡り、不妊・去勢手術を続けています。(すべて自費です)
「官民連携」なしで、飼い主のいない猫問題は解決しません。
官民連携に関してのお考えをお聞かせください。


官民連携のあり方については、「地域猫」事業を実施するに必要な各段階の活動を、それぞれどの主体が実施するかの組み合わせにより様々な形態が考えられます。
取り組みの段階ごとに必要な活動は次のようなものが想定されます。
① 研修(学習)…そもそも人がペットを飼う際に守るべき事柄について
② 〃 (啓蒙)…「地域猫」とはどのような活動かということについて
③ 地域の合意 …「地域猫」に取り組むための地域で合意を得る取組について
④ 不妊・去勢 …不妊・去勢のための手術の実施について
⑤ 給餌等の世話…地域で猫を一生育てることについて
これらの活動について、それぞれ官と民(自治会、NPOなど)もしくは民に対する官の支援・助成がどのようにかかわるかを考えなければなりません。
①、②についてはNPOが主体的に係わりは自治会がサポート役にまわりますが、③、⑤については自治会が主体的にかかわりNPOがサポート役にまわるのがふさわしいと考えます(官は経費や会場の提供で支援する)。④については民間動物病院が主体となるケースと官による愛護センターが積極的に主体の役割を果たすケースについて、どちらが適しているか地域事情も踏まえ十分な検証が必要と考えますが、経費については官の一定の支援が欠かせないのではないでしょうか。

いずれの活動においても、情報収集、地域活動において、常に官民の情報共有と協働が不可欠と考えます。


質問4 豊橋市では愛知県動物保護管理センターに年間1300万円もの委託費を支払っています。これに対し、元栓を締めるための啓発、広報などの費用は非常に少なく、地域猫助成金でも年間50万円です。この点に関するご意見をお願いします。

まず「愛知県動物保護管理センター」への委託費の点についてですが、この委託費は質問5に述べさせていただきましたように、センターの維持・管理費への地元市町村の応分の負担と解釈しています。すなわち、実際に東三河広域連合が自前で同様の業務を遂行するとした場合の経費を、県がすべて肩代わりしてくれていることに対する豊橋市の負担分と解釈しています。
ただし、この額が高いか安いかという問題については、もしも東三河広域連合が担った場合、いっそうの効率化を進めもっと経費を削減することが可能かもしれませんが、ここではこの点には触れないことにします。
地域猫助成金を増額することにより、「愛知県動物保護管理センター」もしくは「東三河動物愛護センター(仮称後述)」の費用や効用が投資額を上回る効果を発揮できるものであるならば(たぶんそうなるであろうと思いますが)、地域猫助成金を増額すべきと政策判断すべきと考えます。なお、他方では助成金の増額がすべてではなく、不妊・去勢手術のための経費を縮減する(たとえばセンター直営で実施するなど)ような手法もオプションとして検討すべきものと考えます。



質問5 豊橋市には「動物愛護センター」の設置がありません。これは災害時においても役立つはずです。すでに岡崎市は所有、浜松市は来年度完成します。
豊橋市としてはどのような方向をお考えですか。

「愛知県動物保護管理センター」と「豊橋市動物愛護センター」が同時に市内に存在することは、厳しい財政事情の地方行政にあっては、効率性の点から適切な方向ではないと考えます。「県保護管理センター」が豊橋市以外の東三河を担当し、「市愛護センター」はもっぱら豊橋市内を担当するという保健所と同様な役割分担も考えられないわけではありませんが、豊橋市内に所在する「県保護管理センター」が市内の動物を対象にしないというのもおかしな話になります。
そこで、豊橋市が「動物愛護センター」を持つとしたならば、「愛知県動物保護管理センター」の施設の実施主体を東三河広域連合に移し、「東三河動物愛護センター(仮称)」として施設機能と実施体制の強化とを推進すべきと考えます。


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